【統計解説】旅行業者の3月取扱額12.3%増 パッケージは人数減でも金額プラス

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空港のコンコースを歩く旅行者たち(イメージ)
Photo: CHUTTERSNAP / Unsplash
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海外も訪日も国内も前年超え

観光庁は2026年5月22日、主要旅行業者44社・グループの3月の旅行取扱状況速報を公表しました。3月の総取扱額は約4,048億円で、前年同月比は12.3%増となり、海外旅行・外国人旅行(訪日)・国内旅行のすべてが前年を上回りました。

なかでも伸びが目立ったのが国内旅行です。取扱額は約2,343億円で15.2%増と、3分野で最も高い伸びを記録しました。海外旅行は約1,398億円(8.1%増)、訪日旅行は約308億円(10.0%増)で、いずれも堅調でした。

2026年3月 主要旅行業者の取扱額(速報)

区分3月取扱額前年同月比
海外旅行約1,398億円108.1%
訪日旅行約308億円110.0%
国内旅行約2,343億円115.2%
合計約4,048億円112.3%

企業別では、JTB(7社計)が約1,696億円(33.2%増)で首位を維持しました。以下、エイチ・アイ・エスが約382億円、KNT-CTホールディングスが約330億円、日本旅行が約309億円、阪急交通社が約279億円と続いています。

パッケージは「人数減・単価増」

全体は好調ですが、旅行商品ブランド(募集型企画旅行、いわゆるパッケージツアー)に目を移すと、別の動きが見えてきます。募集型企画旅行の総取扱額は約1,088億円で1.9%増にとどまり、取扱人数は約209万人で11.2%減と、金額と人数で方向が分かれました。

とくに国内のパッケージは、取扱額が前年並み(99.0%)である一方、人数は87.8%まで落ち込んでいます。人数が減っても金額が保たれているのは、1人あたりの旅行単価が上がっているためです。価格改定に加え、近距離から遠距離へのシフトや宿泊数の増加といった商品構成の高単価化も背景にあるとみられます。なお、この募集型の国内パッケージは約794億円で、国内旅行の総取扱額(約2,343億円)の3分の1ほどにあたります。残る3分の2は手配旅行などが占めるため、後述の国内全体の二桁増を、パッケージの単価上昇だけで説明できるわけではありません。

実際、国内取扱額のうち募集型を除いた手配旅行など(個人手配や法人・団体など)は約1,549億円で、前年比は約26%増と大きく伸びました。国内全体の二桁増は、この手配旅行などが主に押し上げている計算です。背景には、パンフレット型のツアーから、ネット直販やダイナミックパッケージ(航空券と宿を自由に組み合わせる商品)へ旅行者が移っている流れもあるとみられます。

逆に海外パッケージは取扱額10.9%増・人数16.3%増と、金額・人数ともに伸びました。コロナ後に出遅れていた海外旅行が、ようやく人数を伴って回復しつつある様子がうかがえます。

単価上昇は全国に共通

パッケージ国内の動きは、より広い統計とも重なります。観光庁の旅行・観光消費動向調査によると、日本人の国内旅行の1人1回あたり旅行単価は2026年1〜3月期で49,133円、前年同期比4.4%増でした。旅行者数がほぼ横ばいのなかで消費額が伸びており、国内旅行の市場は「人が増える」局面から「単価が上がる」局面へと移りつつあります。

旅行業者のパッケージ国内でも、人数が減るなかで金額が保たれる同じ構図が確認できます。ただし全国統計で単価上昇と消費額増が並行する一方、旅行業者の国内パッケージでは人数が1割以上減っています。単価が上がるという前向きな変化と、パッケージの集客が細るという弱さが、同時に進んでいる点には注意が要ります。

観光ビジネスの視点

全体12.3%増という見出しには注意が必要です。JTB(7社計)を除くと、全体の伸びは1%前後にとどまります(編集部試算)。そのJTBの33.2%増も、前年3月の取扱額が前年比66.4%まで落ち込んでいた反動が大きく、水準は2年前の3月をなお下回ります。業界全体の二桁回復ではなく、JTBの谷からの戻りが押し上げた数字です。

確かな変化はパッケージの側にあります。国内の募集型は金額がほぼ前年並みでも、人数は12%減。単価で金額を保つ裏で、客数の細りが続いています。

<出典>

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