訪日6月315万人、3か月連続の前年割れ
日本政府観光局(JNTO)は2026年7月15日、6月の訪日外客数(推計値)を公表した。6月は3,148,600人で、前年同月比は6.8%減。4月、5月に続き、3か月連続の前年割れとなった。
前年同月比の下げ幅は、4月の5.5%減から5月は3.6%減へいったん縮小したが、6月は6.8%減へ再び拡大した。1〜6月の累計は21,084,800人(2.0%減)だった。前年割れが3か月続くと聞くと勢いの鈍化を疑いたくなる。
ただ内訳を見ると、6月の前年割れには中国市場の落ち込みが大きく影響しており、中国を除く市場の合計は前年同月を上回った。
あわせて読む 同じ6月を宿泊の側から見ると、延べ宿泊者数は6.5%減、外国人は11.9%減だった。
6月の宿泊6.5%減、日本人4.4%減・外国人11.9%減
総数を押し下げたのは中国だった
6月の中国は340,700人で、前年同月比57.3%減だった。前年同月(798,001人)との差は457,301人にのぼり、総数全体の減少幅(229,385人)を大きく上回る。
つまり、中国以外の市場を合計すると前年同月を約22.8万人(約8.8%)上回っており、中国の落ち込みを半分近く相殺した計算になる(編集部がJNTOの公表値から算出)。
JNTOは中国市場の減少要因として、中国政府による日本への渡航回避の注意喚起と航空便の減便を挙げている。端午節が前年の5月末から今年は6月中旬にずれたことは、JNTOの資料では減少を打ち消す側の要因として記載されており(台湾・香港では増加要因として明記されている)、それでもなお前年同月を下回った。中国の前年同月比は、4月56.8%減、5月60.4%減、6月57.3%減と大幅な減少が続く。
あわせて読む 中国からの訪日が半減した同じ時期に、日本行きの便がどれだけ減っていたのかは、関西空港の夏期スケジュールをたどった分析コラムで扱っている。
中国の旅行事業者調査で日本は注目先2位 訪日中国人は6月57.3%減
6月の実数(340,700人)は5月(313,000人)から27,700人増えたが、前年同月比で見れば依然として6割近い落ち込みであり、これをもって回復基調とは言い切れない。
あわせて読む 5月の訪日客数の詳細は、こちらで詳しく解説している。
5月訪日356万人・3.6%減も19市場で過去最高
15市場が6月として過去最高、ただし全市場ではない
市場別では、韓国が787,100人(7.8%増)で6月の最大市場となり、6月として過去最高を更新した。台湾は670,400人(14.6%増)、米国は354,500人(2.7%増)で、いずれも6月の最高値を更新している。
香港は214,300人(28.5%増)、中東地域は22,600人(29.7%増)と、伸び率の面ではこの2市場が目立つ。
JNTOが6月として過去最高を確認したのは、韓国、台湾、ベトナム、インド、豪州、米国、カナダ、メキシコ、英国、フランス、イタリア、スペイン、ロシア、北欧地域、中東地域の15市場だ。中国以外の市場がすべて好調というわけではなく、タイ(7.8%減)、フィリピン(5.2%減)、ドイツ(14.3%減)、シンガポール(0.3%減)のように前年を下回った市場もある。
「過去最高」が確認できるのはあくまでこの15市場であり、それ以外まで一括りに好調と読むのは避けたい。
この図表のデータを見る
| 市場 | 前年同月比 |
|---|---|
| 中東地域 | +29.7% |
| 香港 | +28.5% |
| インド | +26.1% |
| 北欧地域 | +20.6% |
| 台湾 | +14.6% |
| スペイン | +12.9% |
| 韓国 | +7.8% |
| ベトナム | +6.7% |
| マレーシア | +6.4% |
| 米国 | +2.7% |
| シンガポール | -0.3% |
| フィリピン | -5.2% |
| タイ | -7.8% |
| ドイツ | -14.3% |
| 中国 | -57.3% |
訪日7月344万人、7月として過去最高も前年比は0.1%増
総数の前年割れだけを見れば、訪日需要全体が失速したようにも映る。しかし6月は、中国を除く市場の合計が前年同月を約8.8%上回り、15市場が6月として過去最高となった。一方でタイやフィリピンなど、6月に前年を下回った市場もある。総数や「中国以外」という大きなくくりだけで判断せず、市場別の動向を確認することが重要だ。
出典
- 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2026年6月推計値)全体版PDF」
(注:2026年7月29日の配信後ファクトチェックにより、端午節の期ずれをJNTOの原文どおり「減少を打ち消す側の要因」として記述し直した。数値は2026年7月29日時点。)
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