九州ふっこう応援割は10月1日宿泊分から 熊本・鹿児島は補助率6割

草原の向こうにそびえる阿蘇の山並み。手前のススキと草地を、点在する人影が歩いている
Photo: Zion C / Unsplash
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上限は商品の型で3段階、予約開始日は各県が決める

観光庁は8月28日、九州ふっこう応援割の概要を明らかにした。九州地方の1泊以上の旅行・宿泊商品を対象に、旅行・宿泊料金を割り引く。対象は令和8年10月1日(木)の宿泊分からである。

補助率は旅行・宿泊料金の50%(泊/人)。ただし「キャンセルによる観光への影響が大きい」熊本県と鹿児島県は60%となる。

補助には上限があり、商品の型で3段階に分かれる。宿泊単体商品と交通付宿泊旅行商品の1泊が2.0万円、交通付宿泊旅行商品の2泊以上が3.0万円、宿泊地が2県以上の周遊型旅行商品が3.5万円である。

事業は、観光庁が九州地方の各県に補助金を交付し、県が旅行業者・宿泊事業者・宿泊予約サイトに割引価格の差額を支援する形をとる。予約開始日と割引の対象期間は、各県が設定する。

対象県を列挙した観光庁の資料は、いまのところない。令和8年熊本地震 関連情報のページで営業状況が示されているのは、熊本・福岡・佐賀・長崎・大分・宮崎・鹿児島の7県である。同ページは、各県から具体の期間の発表があり次第このページにも掲載するとしている。

財源は予備費、観光の枠は157億円

制度の輪郭は、その前日に決まっていた。令和8年熊本地震非常災害対策本部が8月27日にまとめた被災者の生活となりわい支援のためのパッケージは、なりわいの再建の項にこう書いている。「九州地方における観光復興をいち早く遂げるため、旅行・宿泊料金の割引支援策『九州応援割(仮称)』を実施し、観光需要を喚起する」

このときは仮称だった。翌28日に観光庁が示した名称が「九州ふっこう応援割」である。

財源は令和8年度予算の予備費だ。政府は8月28日、一般会計とエネルギー対策特別会計の予備費の使用を閣議決定した。パッケージに基づく額は計1,478億円で、そのうち「観光関連産業の復興に向けた支援」が157億円である。

ただし157億円は、この括り全体の額である。閣議決定の項目別内訳に並ぶのは、国土交通省所管の「旅行需要の早期回復に必要な経費」約155億円と、農林水産省所管の「外食需要早期回復支援事業に必要な経費」約1億9,477万円である。足すと157億円とほぼ重なる。

割引の初日まで65日、過去2例より10〜13日早い

発災から、割引の対象になる宿泊日の初日までは65日ある。

同じ測り方をすると、過去2例はいずれも2か月半だった。2016年の熊本地震は4月14日の発災に対し、「九州ふっこう割」(事業名は九州観光支援のための割引付旅行プラン助成事業)の第1期発売分が7月1日以降の宿泊で78日である。

2024年の能登半島地震は1月1日の発災に対し、北陸応援割の開始が3月16日で75日。今回はそれより10〜13日早いが、宿泊料金の割引が使えるまでに2か月余りかかることは変わらない。

一方、熊本県の宿泊キャンセルはすでに大きな規模になっている。県が8月21日10時で締めた調査では、約19万600人泊・約27億円(暫定値)だった。8月3日正午締めの前回公表は約6万5,500人泊・約9億円である。

(注:前回は7月28日から31日までに受け付けた分、今回は7月28日以降のキャンセルを8月21日以降の宿泊分まで含めて集計したもので、母数が違う。関係団体や市町村を通じた調査で、回答した施設数は公表されておらず、人泊数と金額のいずれか一方しか回答がなかったものも計上されている)

地域別では阿蘇が6万206人泊・9億8,100万円で最大、天草が3万4,451人泊・5億8,800万円で続く。県庁所在地の熊本市(2万9,854人泊・3億3,300万円)より、阿蘇と天草のほうが大きい。

パッケージが割引に先立つ「つなぎの対応」と名指ししたのは、外食の側だった。割引の記述に続けて「それに先駆けたつなぎの対応として、外食需要の早期回復に向けた熊本県による時宜を得た機動的かつ集中的な取組を、国としても支援する」と書いている。

予備費の内訳にも外食需要早期回復支援事業が立つ。宿泊については、九州運輸局の特別相談窓口、営業状況の情報発信、訪日プロモーション、観光コンテンツ造成の支援が並ぶ。

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観光ビジネスの視点

公表から、割引の対象になる宿泊日の初日までは34日ある。ただし予約と販売がいつ始まるかは各県の設定次第で、準備に使える日数は県ごとに変わる。

予約開始日や対象期間が県ごとに割れれば、九州内で県をまたぐ周遊型商品は、関係する県の発表がそろうまで価格と販売条件を固めにくい。九州をまたいで売る商品ほど、いちばん遅い県の発表に引きずられる。

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