福岡県観光連盟に聞く インバウンド好調と、県内周遊への次の一手

「FUKUOKA」のモニュメントが置かれた公園と、奥に建つ旧福岡県公会堂貴賓館
Photo: 福岡県観光連盟
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福岡県の外国人延べ宿泊者数は、2025年に842万人泊(全国6位)まで伸びた。九州・アジアの玄関口として、インバウンドの伸びは数字にはっきり表れている。県全域の誘客を担う福岡県観光連盟は、この好調をどう次につなげようとしているのか。

連盟は1946年設立の公益社団法人で、観光庁の登録区分は県全域を対象とする都道府県DMO(地域の観光の司令塔となる法人。2025年10月の登録制度改正で新設された区分)。県と組んで観光情報サイト「クロスロードふくおか」の運営や国内外からの誘客、県内市町村の支援を担う。連盟は足元の月ごとの変動を注視しつつ、次の一手をどこに置くかを見極める局面だと捉えている。

国内誘客推進部長の古賀晴美氏、同部主任の林京子氏、海外誘客推進部長の松村耕平氏、企画管理部長の大宮誠氏の4人に、好調の内側とこれからの一手を聞いた。

目次

県と組んで、60市町村をつなぐ

――まず、福岡県観光連盟はどのような組織で、福岡県の観光でどんな役割を担っていますか。

古賀:福岡県は九州・アジアの玄関口です。県内には60の市町村があり、それぞれの観光資源や状況を踏まえて、県が観光振興に必要な予算を確保します。当連盟は、その予算を県と密に連携しながら運用し、事業を組み立てて実行しています。県や市町村と連携しながら観光振興を推進することが、連盟の大きな役割です

組織は4つの部で動いています。企画管理部がデータマーケティングを担い、そのデータをもとに観光地域づくり支援部が観光人材の育成、観光コンテンツの磨き上げなど、60市町村と密に連携をしながら地域の魅力を高める基盤づくりを行っています。国内誘客推進部と海外誘客推進部は、磨き上げた観光素材をもとに、旅行会社への商談会や団体旅行・修学旅行向けの説明会、国内最大級の旅行博「ツーリズムEXPOジャパン」への出展、海外での現地商談会などを通じて福岡県の魅力をPRしています。

また運営の柱のひとつとして、観光情報サイト「クロスロードふくおか」での情報発信を行っています。旅の前・最中はもちろん、旅を終えた後まで福岡の魅力に触れていただき、また訪れたいと思ってもらえる発信を目指しています。

こうした事業を通じて、国内外のお客様に福岡県の魅力を楽しんでいただき、地域に持続的な経済効果が生まれる仕組みをつくることが、連盟の大きな役割だと思っています。

那珂川沿いに並ぶ中洲の屋台と客
福岡観光の顔となる中洲の屋台街(Photo: 福岡県観光連盟)

2025年までの好調と、足元の変化

――2025年は外国人延べ宿泊者数が842万人泊と好調でした。DMOの立場から、いまの状況をどう捉えていますか。

大宮:2025年までは非常に好調に推移してきたと考えています。足元では月ごとに多少の波が見られ、日本人宿泊者数の調整や、インバウンドの延べ宿泊数で前年を下回る月が出てくるなど、一部に注意深く見守るべき数値も出てきています。

直近の月次データでは、日本人の延べ宿泊者数が前年同期比マイナス16.9%、インバウンド延べ宿泊者数がマイナス2.5%となりました。一方で、直接入国のインバウンドは3.3%増と引き続き底堅く推移しています

2025年までの反動や市場の変化に対し、現状をしっかりと見極めつつ、今後の数字の推移を注視しながら適切なプロモーションや受け入れ態勢の強化につなげていく重要な局面だと捉えています。

――要因はどこにあるのでしょうか。

大宮:複合的な要因が重なっていると分析しています。まず、コロナ後の急激な需要回復が一巡し、需要が落ち着きを見せている点が挙げられます。現在はコロナ直後の手厚い支援策による押し上げ効果が一定の成果を収め、次のフェーズへ移行する時期に入っていると捉えています。

また、福岡市内を中心とした質の向上に伴う宿泊費や人件費の変動、九州各県による魅力的な観光施策の展開により、旅行者の周遊ルートや選択肢が広がっていることも影響しています。福岡は県内での宿泊比率が高いからこそ、九州全体での広域的な周遊の流れをどう捉えていくかが今後の鍵になります。

なお、中国市場など海外の特定要因の影響は限定的であり、主な要因は国内需要の平準化と都市部への集中パターンの変化にあると考えています。2026年に向けては、この変化を前向きに捉え、マイナス幅を抑えながら持続可能な観光モデルへと着実にシフトできるよう、動向をしっかり注視し対応していきたいと考えています。

外国人延べ宿泊は過去最多に
福岡県の外国人延べ宿泊者数の推移(2019〜2025年)
福岡県の外国人延べ宿泊者数の推移 2019年426万人泊がコロナ禍の2021年に10万人泊まで激減し、2025年は842万人泊と過去最多。 300 600 900 (万人泊) 426万 10万 842万 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025
注:2021年の10.4万人泊を底に回復し、2025年は842.1万人泊で2019年以降で最も多い。連盟は足元で月ごとの変動が出ているとみている(本文参照)。
出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」各年・年間値〈確定値〉をもとに編集部作成
この図表のデータを見る
福岡県 外国人延べ宿泊者数の推移
外国人延べ宿泊者数(万人泊)
2019426.2
202062.3
202110.4
202260.6
2023503.8
2024738.6
2025842.1

韓国を軸にした東アジアという強み

――外国人は2023年の504万人泊から2024年は739万人泊(前年比プラス46.6%)へ急増しました。この伸びの要因と、市場の構成をどう見ていますか。

大宮:直近でも非常に強い伸びを示しており、その中心は地理的にも近い韓国をはじめとする東アジアのお客様です。当連盟では携帯電話の位置情報を活用した人流統計(モバイル空間統計)等を用いて分析を行っていますが、やはり韓国市場が全体の5割超を占めています。福岡空港におけるLCCからフルサービスキャリア(FSC)までの充実した航空ネットワークが、この堅調な訪日需要を強力に支えています。

東アジア全体でみると市場の8割近くを占めており、近接性や歴史的・文化的つながりを考えても非常に自然であり、本県の強みと言えます。この親密な市場を基盤として、今後もリピーター化を含めた重点的なプロモーションを継続していきます。

――偏りとしての難しさはありますか。

大宮:関東や近畿、広島などを訪れる欧米豪のお客様(長期滞在・高単価傾向)と比較すると、1回あたりの滞在日数が短く、消費単価が相対的に低く出やすいという構造的な特徴があります。

これは見方を変えれば、さらなる成長に向けた大きな「伸びしろ」だと捉えています。東アジアのお客様に向けた滞在日数の延伸(周遊促進)や体験型コンテンツによる消費額向上を図ると同時に、欧米豪市場のさらなる開拓を進めることで、量と質の両面で持続可能なインバウンド環境を整えていくことが、現在の重要なテーマだと考えています。

東アジアが約8割を占める
福岡県の外国人延べ宿泊者数の国籍別構成(2025年)
福岡県の外国人延べ宿泊者数の国籍別構成(2025年) 韓国36.8%を筆頭に台湾・中国・香港と続き、東アジア上位4市場で約79%を占める。 韓国 36.8% 台湾 18.2% 中国 13.7% 香港 10.4% 米国 2.7% タイ 2.5% その他 15.7%
注:国籍別構成は従業者10人以上の宿泊施設を対象とした集計で、母数には国籍不詳を含む。韓国・台湾・中国・香港の東アジア上位4市場で約79%を占める。本文中の「韓国が5割超」「東アジア約8割」は連盟が用いるモバイル空間統計による1年前の集計値で、この宿泊旅行統計とは対象・集計方法が異なる。
出典:観光庁「宿泊旅行統計調査(2025年・年間値〈確定値〉)」参考第1表をもとに編集部作成
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福岡県 外国人宿泊者の国籍別構成
国・地域構成比
韓国36.8%
台湾18.2%
中国13.7%
香港10.4%
米国2.7%
タイ2.5%
その他15.7%

二つのサイトで発信する福岡

――県公式サイト「クロスロードふくおか」と多言語サイト「VISIT FUKUOKA」は、どんな利用者を対象に、どう使われているのでしょうか。

林:どちらも広く福岡の情報を発信しており、日本語サイトの「クロスロードふくおか」は県内からのアクセスが26%、次いで東京が15%、大阪が8%と続いており、県内県外どちらからも幅広く利用されています。

多言語のVISIT FUKUOKAは、英語・繁体字・簡体字・韓国語に、2025年11月からフランス語も加えて5言語で運営しています。基本的に、その言語を母語とする地域からのアクセスが中心です。

連盟の集計では、2025年度のVISIT FUKUOKAの月平均ユーザー数は繁体字が最も多く、英語がそれに続きます。来訪では韓国のお客様が最も多い一方、サイトの利用は繁体字と英語が中心で、来訪者数とサイトの利用言語は必ずしも一致しません。フランス語は、県がフランスからの誘致に力を入れていることから今後の利用者増を見込んで追加しました。

――どのタイミングで、どんな内容が読まれていますか。

林:旅マエに利用される傾向が強く、大きなイベントの開催時期や花の名所の開花時期などの1〜2か月前になると、関連する検索が増加します。メディアとして、季節に合わせた特集を先々を見越して組んでおり、夏なら海水浴場やレジャー、花火大会といった内容の記事も人気です。

特に春の桜や夏のひまわりといった花の情報は強く、それらがきれいに撮れるスポットなどがよく見られています。「VISIT FUKUOKA」の画面でも、桜の写真が最初に出てきます。櫛田神社や柳川、宮地嶽神社など、定番の観光地へのアクセスも多いですね。

多言語サイトでは、「福岡県とはどんなところか」という基礎知識やモデルコース、定番の情報の需要が高いです

繁体字と英語が利用者の二強
VISIT FUKUOKAの言語別 月平均ユーザー数(2025年度)
VISIT FUKUOKAの言語別 月平均ユーザー数(2025年度) 繁体字が約6.1万で最多、英語が約5.9万で続く。韓国語約2万、簡体字約8千、フランス語約900。 繁体字 60,905 英語 59,001 韓国語 19,945 簡体字 7,931 フランス語 885 単位:人/月
注:連盟が委託事業者から受け取るログ解析に基づく月平均ユーザー数(連盟提供値)。フランス語は2025年11月に開設し、他の言語より集計対象の期間が短い。
出典:福岡県観光連盟提供資料(連盟の集計値)をもとに編集部作成
この図表のデータを見る
VISIT FUKUOKA 言語別 月平均ユーザー数
言語月平均ユーザー数(人)
繁体字60,905
英語59,001
韓国語19,945
簡体字7,931
フランス語885

食べる、遊ぶ、泊まるを一体的に楽しめる新たな観光エリア(6エリア)

――旅行者が福岡市や北九州市に集中しやすいなか、県内各地への周遊をどう促していますか。

大宮:従来の「福岡・北九州・筑後・筑豊」という4つのエリア分けとは別に、6つの観光エリアを選び、集中的にプロモーションをかけています。4年ほど前から、それぞれのエリアにテーマを持たせ、体験プログラムづくりや、人を呼び込むキャッチコピーづくりを進めてきました。

6つの広域観光エリアで県内周遊を促す
各エリアの特色を生かしたテーマを設定し、プロモーションを実施
芦屋町の名物、イカの活き造り
筑前玄海エリア
イカのまち
藍染めの糸を機に掛けて織る久留米絣
八女・筑後・広川エリア
クラフトのまち
池と石橋のある庭園から望む旧伊藤伝右衛門邸
飯塚・嘉麻・桂川エリア
エネルギーの源があるまち
炎のそばで鬼の面をつけて舞う神楽
京築エリア
神楽の里“鬼すごい京築”
袋がけした木から梨を収穫する来園者
久留米・うきは・朝倉エリア
ヘルス&ビューティーのまち
雪に覆われた英彦山神宮の奉幣殿(添田町)
日田彦山線BRTひこぼしライン沿線エリア
ものづくりと修験の文化が息づくまち
注:従来の4区分(福岡・北九州・筑後・筑豊)とは別に、テーマを持たせて選定した6エリア。エリア名・テーマは連盟公式サイトの表記。
出典:福岡県観光連盟 観光情報サイト「クロスロードふくおか」
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福岡県の6つの観光エリア
エリアテーマ
筑前玄海エリアイカのまち
八女・筑後・広川エリアクラフトのまち
飯塚・嘉麻・桂川エリアエネルギーの源があるまち
京築エリア神楽の里“鬼すごい京築”
久留米・うきは・朝倉エリアヘルス&ビューティーのまち
日田彦山線BRTひこぼしライン沿線エリアものづくりと修験の文化が息づくまち

古賀:政令市に集中する観光客を県内各地に周遊させることが狙いです。交通機関で1時間ほどあれば県内のほとんどの市町村に行けるので、その1時間を使って各エリアの魅力的なコンテンツに触れてもらい、もう1泊増やしていただくようなきっかけとなればと考えています。

あわせて「よかバス」という周遊バスも走っており、福岡市や北九州市等を発着する形で各市町村をめぐり、各地の魅力的な体験や食を楽しんでいただくことができます。

旅行者にとって、空港や主要駅から目的地までの二次交通の手配は負担になりやすいです。しかし「よかバス」を活用いただくことにより楽に県内を回っていただけます。

現在、利用者の多くは県内や九州在住の方ですが、今後は県外からお越しの方にも積極的に利用していただけるよう、認知拡大を図っていきたいです。

宗像大社辺津宮の拝殿
6つの観光エリアの一つ、筑前玄海エリアの宗像大社(Photo: 福岡県観光連盟)

体験型・高付加価値で欧米豪へ

――韓国・台湾・香港などの近距離市場と、欧米豪市場では、訴求の仕方をどう変えていますか。

松村:近距離市場は、効果的な誘客活動を継続することに重点を置いています。アジア圏での露出を高めるため、現地の商談会や旅行博に出展し、直接アプローチします。

欧米豪市場は、いま関心の高い体験型・高付加価値のコンテンツを核にしています。手応えのある体験としては、小石原焼や久留米絣、柳川の川下り、八女茶など、見て・触れて楽しめるものですね。現地では、海外レップ(現地で営業を代行するパートナー)と組み、旅行会社やメディアを福岡へ招くファムトリップ(視察旅行)で、じっくり商品をつくってもらっています。

――旅行会社との連携は、市場によって変えていますか。

松村:近距離市場は、現地の商談会や旅行博への出展を通じて直接アプローチし、継続的な誘客につなげています。欧米豪市場は、フランス・イギリス・アメリカ・オーストラリアの現地ネットワークと連携し、体験型・高付加価値のコンテンツを提供することで、将来的な旅行商品の造成につなげることを目指しています。

外国のお客様は、本当に遠くまで足を延ばして来られます。それだけ興味を持ってお越しいただいているので、きちんとしたサービスでお応えしていきたいと考えています。

小石原焼の工房に並ぶ器と作陶する職人
欧米豪向けに訴求する体験型コンテンツの一つ、東峰村の小石原焼(Photo: 福岡県観光連盟)

安定財源としての宿泊税

――宿泊税は全国の自治体に広がっています。福岡県の宿泊税収は2024年度(令和6年度)決算で約18.7億円に達し、これを財源とする県の補助金が連盟を支えています。組織の基盤や人材育成における課題や展望をどう捉えていますか。

大宮:宿泊税という安定的な財源があることで、単年的なイベントにとどまらない、中長期的な視点に立った観光プロモーションや受け入れ環境整備に腰を据えて取り組めることは、本県ならではの大きな強みだと感謝しています。当連盟は公益社団法人として公的な役割を担っており、税を財源とする補助金を最大限に活用しながら、地域全体の「稼ぐ力」を引き出すマーケティングや支援施策を展開しています。

一方で、組織・人材の面では、当連盟は民間や自治体からの出向者、専門的な知見を持つ人材など多様なバックグラウンドを持つ約17名の少数精鋭体制で運営しています。観光業界全体で人手不足が課題となる中、観光庁のDMO登録ガイドライン改正等により、これまで以上に専門性と持続可能性を備えた組織体制が求められています。

安定財源という強みを活かしつつ、出向者のノウハウと専門人材のスキルを融合させ、時代や制度の変化に対応できる専門性の高い持続可能なDMO体制の構築を進めていきたいと考えています。

県が徴収し、補助金で連盟へ
福岡県の宿泊税収と連盟の財源構造(2024年度)
福岡県の宿泊税と連盟の財源構造 2024年度(令和6年度)の福岡県全体の宿泊税収は18.7億円。県が徴収し、その一部が補助金として連盟へ交付され、連盟の安定的な財源となる。 2024年度の福岡県の宿泊税収 18.7億円 2023年度は17.3億円 福岡県が 宿泊税を徴収 税収の一部が 補助金として連盟へ 連盟の安定的な 財源として活用
注:18.7億円は福岡県全体の宿泊税収の決算額であり、連盟への交付額ではない。宿泊税は福岡県が徴収し、その一部が補助金として連盟へ交付される。
出典:福岡県「宿泊税の活用状況について(令和6年度)」および取材をもとに編集部作成
この図表のデータを見る
福岡県の宿泊税決算額
年度福岡県の宿泊税決算額
2023年度(令和5年度)1,733,054千円(約17.3億円)
2024年度(令和6年度)1,873,814千円(約18.7億円)

これからの福岡観光

――今後の展望と、全国の自治体・DMO・観光事業者へのメッセージをお願いします。

古賀:KPI(達成度を測る指標)は県と同様「第三次福岡県観光振興指針(〜2026年度)」を基準としており、目標は概ね達成できている状況です。

今後もしっかりとデータを分析したうえで、地域連携や情報発信、誘客活動をさらに発展させ、地域に持続的な経済効果が循環する形をつくっていきたいと考えています。

インバウンド需要の好調を維持しつつ、国内からの誘客もしっかりと図っていく必要があると感じています。60市町村が育ててきたコンテンツを、「クロスロードふくおか」を通して県外に発信していきたいですね。

観光を通して人が訪れ、消費が生まれ、地域の活力につながる。それが私たちの目標であり、役割だと思っています。

松村:海外からの誘客については、インバウンド需要の一層の拡大が目標です。ターゲットの国・地域ごとに戦略的なプロモーションを行い、認知度の向上、リピーターの獲得、そして県内での消費の促進を目指していきます。

大宮:都道府県DMOとして、いまデータの利活用が非常に求められていると感じています。当連盟では会員向けに、観光データを集約・分析する基盤(福岡県観光DMP)を立ち上げ、モバイル空間統計やアンケート結果の可視化を進めてきました。

今年度はさらに一歩進めて、観光地にQRコードを設置して旅行者からのアンケートを収集し、市町村ごとのデータベースをつくって各地域にお返しする事業をスタートしたいと考えています。データをしっかりと地域に共有し、各地域が自ら稼げる仕組みづくりをサポートしていく。それこそが、都道府県DMOの大きな役割だと考えています。

観光ビジネスの視点

福岡の外国人延べ宿泊者数は2025年に842万人泊まで伸び、全国6位に立った。連盟はこの水準を土台としながら、月ごとの変動を見極め、次の段階へ移る局面だとみている。

福岡は観光地として恵まれた条件を持つ。アジアからの航空便が集まる玄関口であり、都市部から県内各地への移動もしやすい。小石原焼や久留米絣、八女茶、柳川の川下りなど、欧米豪の旅行者にも訴求できる体験型の観光資源も豊富だ。

課題は、観光素材の不足ではない。福岡市や北九州市に集まる旅行者を、県内各地へ導く仕組みづくりである。6つの観光エリアとよかバス、そして市町村ごとにデータを返す取り組みは、いずれもその設計に向けた布石といえる。好調を土台にできるいまが、仕組みを組み上げる好機である。

出典

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