主要旅行業者の7月取扱額は3095億円で101.5% 3カ月ぶりに前年超え

空港ターミナルの出発ロビーを行き交う大勢の旅行者
Photo: Andrew Leu / Unsplash
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海外と訪日が伸び、総取扱額は前年を上回る

観光庁は2026年9月25日、主要旅行業者43社・グループの7月の旅行取扱状況速報を公表した。7月の総取扱額は約3,095億円で、前年同月比101.5%と3カ月ぶりに前年を上回った。海外旅行と外国人旅行(訪日)が伸び、国内旅行の減少を上回った。

なお、ここでいう「外国人旅行」は、日本の旅行会社が取り扱ったインバウンド旅行を指す。訪日外客数やインバウンド消費額など、市場全体を示す数字ではない。

総取扱額は5月分の速報で99.9%、6月分の速報で98.1%と2カ月続けて前年を下回っていた。6月は海外と訪日の伸びを国内の減少が打ち消したが、7月は逆に海外と訪日の伸びが国内の減少を埋めた。

あわせて読む 主要旅行業者の6月取扱額の詳細は、こちらで詳しく解説している。

新幹線のホームに立つ駅係員と、停車中の白い新幹線。奥の発車案内には新大阪行きが表示されている 主要旅行業者の6月取扱額は3139億円で98.1% 国内旅行のみ前年割れ

区分別では、海外旅行が約1,208億円(6.2%増)、外国人旅行(訪日)が約158億円(12.1%増)だった。国内旅行は約1,729億円(2.4%減)で、前年から約42億円減っている。海外の約71億円増と訪日の約17億円増がこれを上回り、総取扱額は約46億円のプラスになった。

2026年7月 主要旅行業者の取扱額(速報)

区分7月取扱額前年同月比
海外旅行約1,208億円106.2%
外国人旅行(訪日)約158億円112.1%
国内旅行約1,729億円97.6%
合計約3,095億円101.5%

企業別(上位5社はいずれもグループ各社の合算値)では、JTBが約1,074億円(1.1%増)で最も多かった。以下、エイチ・アイ・エスが約324億円(6.8%増)、日本旅行が約283億円(5.0%増)、阪急交通社が約261億円(3.9%減)、KNT-CTホールディングスが約250億円(2.9%増)と続く。阪急交通社は国内旅行が7.6%増えた一方、海外旅行が11.8%減り、6月の2位から4位に下がった。

国内旅行の減少、JTBとジャルパックで33億円

国内旅行は6月の7.9%減から2.4%減へ、減少幅が縮まった。各社別内訳から国内旅行の減少額を並べると、JTBが約19億円減(2.8%減)、ジャルパックが約14億円減(16.2%減)と大きい。この2社の減少額は合わせて約33億円で、増えた会社の分を差し引いた国内全体の減少額(約42億円)の約8割にあたる。2社を除く41社・グループの国内旅行は、合計で前年同月比99.2%だった(編集部試算)。ただし、この中でも国内の取扱額が減った会社は20社・グループあり、増減はまちまちだ。

6月に国内の減少額が最も大きかった東武トップツアーズは、7月は100.3%と前年並みに戻った。ジェイアール東海ツアーズも6月の23.5%減から8.7%減へ縮まっている。一方、ジャルパックは5月(13.9%減)、6月(27.4%減)に続き、3カ月続けて二桁の減少となった。観光庁の資料に方面別や商品別の内訳はなく、各社の増減の理由はこの統計からはわからない。

国内の募集型企画旅行(旅行会社が企画して参加者を募る旅行)は、取扱額が前年同月比95.1%、取扱人数が同88.3%だった。6月の人数19.7%減からは減少幅が縮まったが、人数の落ち込みは金額より大きい。取扱額を人数で割った1人当たり平均取扱額は、単純計算で約4万500円から約4万3,700円へ7.7%増えた。

人数の統計より取扱額が伸びた

全国の動きと比べると、旅行会社の取扱額の伸びが目立つ。日本政府観光局(JNTO)の訪日外客数(2026年7月推計値)によると、7月の訪日外客数は約344万人で、前年同月比0.1%増だった。4カ月ぶりに前年を上回り、7月として過去最高となった。

中国は約43万人(56.1%減)と大きく減ったが、韓国(31.9%増)や台湾(26.4%増)が伸び、17市場が7月として過去最高を記録した。これに対し、主要旅行業者43社・グループの外国人旅行取扱額は12.1%増えた。両者は集計の対象が違う統計だが、伸び率には大きな差がある。増えた約17億円のうち約12億円はJTBによるものだ。

海外旅行では、増減の向きが分かれた。同じ資料によると、7月の出国日本人数は約119万人で1.2%減った。一方、主要旅行業者の海外旅行取扱額は6.2%増えた。海外の募集型企画旅行も、人数は7.2%減ったのに取扱額は0.6%増と前年を上回っている。

観光ビジネスの視点

7月の総取扱額を前年超えに押し上げたのは、海外と訪日の伸びだった。その海外と訪日では、全国の人数と旅行会社の取扱額の動きがそろっていない。訪日外客数は0.1%増にとどまり、出国日本人数は1.2%減ったが、主要旅行業者の外国人旅行は12.1%、海外旅行は6.2%伸びている。

両者は集計の対象が違うため、この差だけで1人当たりの支出が増えたとは言えない。旅行会社の動きは、訪日外客数や出国日本人数だけでは捉えきれない。人数の統計と取扱額は、何を数えた数字かを確かめたうえで並べて見たい。

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