旅行業者の4月取扱額6.9%増、海外好調も訪日は前年割れ

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海外と国内は前年超え、訪日は前年割れ

観光庁は2026年6月26日、主要旅行業者43社・グループの4月の旅行取扱状況速報を公表した。4月の総取扱額は約3,009億円で、前年同月比は6.9%増となった。海外旅行と国内旅行が前年を上回った一方、外国人旅行(訪日)は前年を下回った。

伸びを支えたのは海外旅行だ。取扱額は約1,069億円で21.3%増と、3分野で最も高い伸びを記録した。国内旅行は約1,660億円で1.6%増とほぼ横ばいにとどまり、外国人旅行(訪日)は約280億円(6.7%減)と前年割れになった。前月の3月分では訪日が10.0%増だったため、4月は方向が反転した形だ。

あわせて読む 主要旅行業者の3月取扱額の詳細は、こちらで詳しく解説している。

空港のコンコースを歩く旅行者たち(イメージ) 旅行業者の3月取扱額12.3%増 パッケージは人数減でも金額プラス

2026年4月 主要旅行業者の取扱額(速報)

区分4月取扱額前年同月比
海外旅行約1,069億円121.3%
外国人旅行(訪日)約280億円93.3%
国内旅行約1,660億円101.6%
合計約3,009億円106.9%

企業別(いずれもグループ各社の合算値)では、JTBが約999億円(5.2%増)で最も多かった。続く2位は阪急交通社で、前年比29.3%増の約405億円と大きく伸ばした。以下、日本旅行が約310億円(7.2%増)、エイチ・アイ・エスが約244億円(5.9%増)、KNT-CTホールディングスが約235億円(4.7%減)と続く。

海外旅行が全体を押し上げた

全体の6.9%増は、見た目ほど広く分かれた伸びではない。総取扱額は前年から約194億円増えたが、このうち約半分にあたる約92億円は阪急交通社1社の増加が寄与した。阪急を除くと、全体の伸びは4%前後にとどまる。

その阪急をけん引したのが海外旅行だ。海外旅行の取扱額は前年比147.6%と突出し、約192億円に達した。阪急の4月の海外取扱額は2024年の約112億円、2025年の約130億円、2026年の約192億円と3年連続で増えており、足元で伸びが加速している。

海外旅行の伸びは阪急に限らない。主要旅行業者全体でも、海外のうち募集型企画旅行(パッケージツアー)の取扱額は前年比0.8%増にとどまる一方、個人手配などを含む海外全体は21.3%増と大きく伸びた。募集型のパッケージツアー以外の取扱が、海外の伸びを押し上げた。出遅れていた海外旅行の回復が、4月の全体を支えた形だ。

訪日は中国減で前年割れ

前年割れになった外国人旅行(訪日)も、旅行業者だけの話ではない。日本政府観光局(JNTO)によると、4月の訪日外客数は約369万人で、前年同月比は5.5%減だった。最大の押し下げ要因は中国で、政府の渡航自粛の呼びかけや減便を背景に56.8%減と大きく落ち込み、5カ月連続の前年割れとなった。加えて、前年は4月だったイースター休暇が今年は3月下旬に前倒しとなり、欧州からの需要が3月に偏ったことも響いた。昨年4月が大阪・関西万博の開幕で過去最高水準だった反動もある。

旅行業者の訪日取扱の6.7%減は、この全国の5.5%減と方向が重なる。ただし主因である中国の減少は渡航自粛を背景に当面続く可能性があり、万博の反動やイースターの期ずれのような一時的な要因だけで片づけられない。それでも4月の訪日外客数は2026年の単月としては最高で、1〜4月の累計は2年連続で1,400万人を超えている。

国内旅行は1.6%増と、前月の15.2%増から大きく減速した。募集型の国内パッケージは取扱額が前年並み(98.6%)である一方、取扱人数は87.6%まで落ち込んだ。人数が1割以上減っても金額が保たれているのは、1人あたりの旅行単価が上がっているためだ。前月から続く「人数減・単価維持」の構図は、4月も変わっていない。

観光ビジネスの視点

4月分で最も重要なのは、総取扱額6.9%増の中身を分解すると、海外旅行の取扱額増が全体を大きく押し上げている点だ。一方、国内は、募集型パッケージで取扱人数が1割以上減りながら、単価で金額を保つ姿が続く。訪日は中国の大幅減の影響が続く。「6.9%増」とひとくくりにせず、海外の回復と、国内・訪日それぞれの数字を分けて見る必要があるだろう。

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