8月の延べ宿泊者数は6.7%減
観光庁は2026年9月30日、宿泊旅行統計調査の最新値を公表した。2026年8月(第1次速報)の延べ宿泊者数は6,268万人泊で、前年同月比6.7%減。うち日本人が5,004万人泊(5.8%減)、外国人が1,264万人泊(10.3%減)だった。
今年は1月から8月まで、すべての月で前年同月を下回っている。8月の6.7%減は、6月の8.4%減、4月の7.2%減に次ぐ大きさだ。
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| 年月 | 全体 | 日本人 | 外国人 |
|---|---|---|---|
| 2025年8月 | 1.4% | 0.4% | 5.6% |
| 2025年9月 | -1.5% | -3.0% | 3.4% |
| 2025年10月 | 0.3% | -1.9% | 6.1% |
| 2025年11月 | -1.9% | -1.9% | -1.8% |
| 2025年12月 | -1.7% | -2.3% | 0.0% |
| 2026年1月 | -6.5% | -2.3% | -15.8% |
| 2026年2月 | -0.7% | -1.6% | 1.8% |
| 2026年3月 | -2.2% | -1.5% | -3.9% |
| 2026年4月 | -7.2% | -5.5% | -10.8% |
| 2026年5月 | -3.2% | -0.9% | -9.0% |
| 2026年6月 | -8.4% | -6.3% | -14.0% |
| 2026年7月 | -4.7% | -4.1% | -6.5% |
| 2026年8月 | -6.7% | -5.8% | -10.3% |
出典:観光庁「宿泊旅行統計調査(2026年8月・第1次速報、2026年7月・第2次速報)」。いずれも延べ宿泊者数の前年同月比。2025年は確定値、2026年1月〜7月は第2次速報値、8月は第1次速報値。
8月の6,268万人泊は、2023年以降の8月で最も少ない。2023年8月は6,435万人泊、2024年8月は6,626万人泊、2025年8月は6,720万人泊だった(2025年以前は確定値)。
コロナ禍前の2019年8月(6,323万人泊)と比べても約0.9%下回る。ただし2026年1月分から調査の層化基準が変わっており、確定値と第1次速報値の比較でもあるため、幅をもって見る必要がある。
層化基準とは、調査の標本を分ける基準のことで、従業者数から客室数へ切り替えられた。観光庁は、前年同月比・前年同月差に見直しの影響が含まれる可能性があると注記している。
あわせて読む 宿泊旅行統計調査そのものの位置づけや、ほかの観光統計との使い分けは、こちらで整理している。
観光統計とは 主要統計の種類・読み方のポイント
減った泊数の7割は日本人
率で比べると、外国人の10.3%減は日本人の5.8%減を大きく上回る。ところが泊数でみると逆になる。
前年同月(2025年8月・確定値)の6,720万人泊から減ったのは約452万人泊。このうち日本人が約307万人泊で約7割を占め、外国人は約145万人泊で約3割だった(いずれも編集部が観光庁の公表値から算出)。
日本人の泊数はもともと外国人の4倍近くあるため、減り方の率が小さくても、減った量は大きくなる。ただしこの内訳は前年との単純な差で、層化基準の変更による影響も含まれうる。
外国人の側では、日本政府観光局(JNTO)が推計した8月の訪日外客数も309万8,900人で、前年同月比9.6%減だった。中国は41万8,000人で59.0%減だった。JNTOは8月全体の動きについて、東南アジアで需要が落ち着く時期だったことに加え、航空便の減便や台風による欠航などで一部の市場が前年を下回ったと説明している。
ただし2つは別の統計である。訪日外客数は入国した人の「人数」で、宿泊旅行統計はホテル・旅館・簡易宿所などが答えた「泊数」だ。
客室数20室以上の施設を対象にした国籍別では、8月は台湾が203.1万人泊で首位だった。中国170.1万人泊、韓国161.4万人泊が続く。第1次速報の国籍別には前年同月比がついていない。
あわせて読む 8月の訪日外客数では、中国の大幅減と、韓国・台湾・香港の8月として過去最高が同時に起きていた。市場別の動きは別記事で扱っている。
訪日8月310万人、中国の減少を埋めきれず前年比9.6%減
稼働率は旅館だけが前年を上回った
8月の客室稼働率は全体で64.4%となり、前年同月を1.3ポイント下回った。施設タイプ別では、旅館が47.4%で1.7ポイント上昇した。観光庁も資料に「旅館の客室稼働率が対前年同月比で改善した」と記している。
前年同月差が公表されている5タイプのうち、8月に前年を上回ったのは旅館だけだった。下げ幅が最も大きいのはシティホテルで、3.0ポイント低下の72.3%だった。簡易宿所2.9ポイント低下(36.2%)、ビジネスホテル0.7ポイント低下(75.7%)、リゾートホテル0.6ポイント低下(66.9%)と続く。
| 施設タイプ | 2026年7月 (第2次速報) | 2026年8月 (第1次速報) |
|---|---|---|
| 旅館 | 40.2% +3.0pt | 47.4% +1.7pt |
| リゾートホテル | 59.0% +2.1pt | 66.9% -0.6pt |
| ビジネスホテル | 74.6% -0.1pt | 75.7% -0.7pt |
| シティホテル | 71.9% +0.3pt | 72.3% -3.0pt |
| 簡易宿所 | 30.0% -2.8pt | 36.2% -2.9pt |
| 全体 | 61.0% -0.2pt | 64.4% -1.3pt |
7月は4.7%減へ下方修正された
同時に公表された2026年7月(第2次速報)は、延べ宿泊者数5,397万人泊で4.7%減。日本人4,066万人泊(4.1%減)、外国人1,331万人泊(6.5%減)だった。
8月31日に出た第1次速報(5,467万人泊・3.5%減)から、約70万人泊の下方修正である。有効回収率は32.9%から45.1%へ上がった。客室稼働率は60.8%から61.0%へ、逆に上方修正された。
6月も同じ向きだった。第2次速報で延べ宿泊者数が下方修正され、客室稼働率が上方修正されている。8月分の有効回収率は36.5%で、10月30日公表予定の第2次速報で改定される。
7月の都道府県別では、22県で前年同月を上回り、25都道府県で下回った。伸びが大きかったのは愛媛県36.6%増、高知県28.0%増、茨城県23.3%増。下げが大きかったのは山梨県21.3%減、大阪府14.9%減、島根県13.0%減である。
延べ宿泊者数に占める地方部(三大都市圏以外)の割合は58.4%で、前年同月から1.9ポイント上がった。外国人に限ると、三大都市圏が9.2%減、地方部が0.9%減だった。国籍別では台湾が212.7万人泊(24.7%増)で首位、中国が177.2万人泊(44.7%減)で2位、韓国が154.5万人泊(28.4%増)で3位だった。
あわせて読む 7月の第1次速報の内容は、前回の記事で詳しく扱っている。
7月の宿泊3.5%減、日本人3.1%減・外国人4.6%減
外国人の1割減が目を引くが、8月に減った泊数の7割は日本人だった。外国人の泊数が前年並みに戻ったと仮定しても、埋まるのは8月の減少のうち3割分にとどまる(編集部試算)。
宿泊の落ち込みを訪日客の動きだけで読むと、量の大きい国内客の減少を見落とす。自社の実績も日本人と外国人に分け、どちらの減少が全体を押し下げているかを確かめる必要がある。
出典
- 観光庁「宿泊旅行統計調査(2026年8月・第1次速報、2026年7月・第2次速報)」
- 観光庁「宿泊旅行統計調査(2026年7月・第1次速報、2026年6月・第2次速報)」
- 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2026年8月推計値)」


