沖縄と東北が「2027年に行くべき50選」に 東北はトレイルで評価

岩手県宮古市の浄土ヶ浜。白い岩壁に挟まれた入り江の奥に小島が浮かぶ
Photo: Da-shika / Unsplash
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日本から沖縄と東北の2か所が選出

旅行メディアのロンリープラネットが年次企画「Best in Travel 2027」として「2027年に訪れるべき場所50選(50 Best Places to Go in 2027)」を発表し、日本からは沖縄県と東北が選ばれた。日本政府観光局(JNTO)が10月2日のお知らせで伝えたもので、発表は2026年9月22日だったという。

ロンリープラネットはガイドブックで知られる旅行メディアで、JNTOは「英語圏を中心に世界中で支持を集める旅行メディア」と説明する。

公式のリストは50か所を並べたもので、順位は付いていない。文化、アウトドア、景観ルート、食と飲み物、ビーチと島といったテーマで絞り込める作りである。選出について同社は、ライターや編集者が実際に現地を訪れた経験から選んだと説明している。

沖縄は「島の文化」、東北は「トレイル」

リストの各地には「〜を楽しむならここ」という見出しが付く。沖縄は「亜熱帯の島の文化(subtropical island culture)」である。東京から飛行機で3時間かかり、新幹線網の外にあるため見落とされやすいが、独自の文化をもつ亜熱帯の島々だと紹介している。

JNTOによれば、透明度の高い海でのダイビングやシュノーケリング、亜熱帯の森でのハイキング、伝統的な集落や琉球文化の体験も魅力に挙げられた。離島ごとに景観や文化が異なる点も紹介されている。

東北の見出しは「みちのくトレイルのハイキング(Michinoku trail hiking)」だ。東北を訪問者に見落とされがちな地域としたうえで、アイルランド出身のハイカーが太平洋岸のみちのく潮風トレイルを歩いた体験を書いている。道中は「温かい歓迎と劇的な自然」に満ちていたという。

JNTOは、みちのく潮風トレイルが「自然、文化、復興のストーリーを体感できる長距離トレイル」として評価されたと説明している。東日本大震災からの復興の歩みを学べる点、地元住民との交流、地域ならではの食文化を挙げた。

東北は2020年版でも上位に

東北がロンリープラネットの「Best in Travel」に選ばれるのは初めてではない。復興庁の発表によると、「Best in Travel 2020」の地域部門「Top 10 Regions」で東北は3位に入った。当時は、震災後の観光地や観光インフラの復興、東京からのアクセスの良さも評価された。

今回の主役であるみちのく潮風トレイルは、環境省が設定する長距離自然歩道である。青森県八戸市から福島県相馬市まで、4県29市町村をつなぐ。震災後の「グリーン復興プロジェクト」の一つとして整備され、2019年6月9日に全区間が開通した。

全長は1,000kmを超える。2020年版は東北という地域全体への評価だったが、今回は同じ東北でも、このトレイルを歩く旅が評価の中心に据えられた。

地方の外国人宿泊は伸びるが、東北はまだ小さい

観光庁の宿泊旅行統計調査によると、2025年の外国人延べ宿泊者数(確定値)は1億7,992万人泊だった。前年比は三大都市圏の5.1%増に対し、地方部は19.1%増と伸びが大きい。

沖縄県は921万1,700人泊で前年比32.8%増となり、都道府県別で5位に入る。一方、東北6県を合計すると281万8,370人泊で、全国の約1.6%にとどまる。県別では宮城県の100万5,110人泊が最も多く、秋田県は14万8,340人泊だった。

同じ50選でも、外国人宿泊の規模でみた2つの地域の立ち位置は大きく違う。

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観光ビジネスの視点

海外メディアの「行くべき場所」に選ばれても、それだけで宿泊が増えるとは限らない。東北6県の2025年の外国人宿泊は全国の約1.6%で、6県とも前年より増えてはいるものの、規模はまだ小さい。

今回の評価は、長い道を歩くという体験に向けられている。1,000kmを超える道は、一日では歩き切れず、区間を歩き継げば泊まりながら進む旅になる。選出を宿泊に結びつける鍵は、区間ごとに歩ける旅程と、宿・荷物の運び・ガイドを英語でまとめて予約できる形を用意することにある。

外国人宿泊がすでに900万人泊を超える沖縄と、6県合わせても300万人泊に届かない東北とでは、宿泊の規模に大きな差がある。東北にとって今回の選出は、歩く旅を連泊につなげる受け入れの形を整えるきっかけになる。

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